リズム感を鍛えるための音楽とは?効果的な聴き方と練習方法3選

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リズム感を鍛えるにはクラシックが最適

では今回はリズムが良くなるというか、リズムを意識して聴くようになる音楽というものを紹介したいと思います。結論を先にいうとクラシックです。

その理由は、例えばJ-popなどがそうなんですけど、歌ありき、メロディありきで作られているものなので、どちらかというとメインディッシュが歌になります。

クラシックでは、ピアノソナタとか楽器がメインの音楽が多いです。歌になると、別のカテゴリーになりますよね。歌劇になるので例えば「ハレルヤ~♪、ハレルヤ~♪」みたいな歌が乗っているものですね。ちゃんとそこは線引きがされています。

どちらかというと、クラシックで皆さんが想像しているものというのは、 ショパンやベートーヴェンだったりだと思います。例えば耳馴染みのいいものでいうとピアノソナタがありますよね。

そのピアノソナタの、なんとなくこれがピアノのメロディーだなっていうのを耳で拾える人って少ないんです。構成を忘れたり、拍を忘れたりとか。例えば、ベートーヴェンの運命のダダダダーンの後をちゃんと全部歌える人がいるかって言われたら、そんなにいないと思います。 どうしてもクラシック音楽はスポットで使われることが多いんですね。テレビでもyoutubeでもなんでもそうですが、フルでなかなか耳にすることって、やっぱりJ-popを普段聴いている方はあまり馴染みがないと思います。例えば、声楽をやっていらっしゃる方も、歌を歌っているわけで、楽器を演奏しているわけではないので、馴染みがないかもしれません。iTunesや他のツールでもいいので、検索してもらって、クラシックの名曲と言われるものを聴いてみてください。どれだけ聴くかでリズム感の向上にものすごく差がでます。例えば、モーツァルトとかバッハとかもそうですけど、みんなが聴いたことのあるようなもので大丈夫です。

大事なのはリズムをしっかりとれるかどうか

別にタイトルを覚えるのが目的ではなくて、その曲の拍がちゃんと取れるかっていう事がまず大事です。ピアノ協奏曲だったら、ピアノが軸になって展開されていくものなので、後ろの拍を取りながら、例えばメロディを「タ」で歌うんですね。ベートーヴェンのピアノソナタ3部作とかかなり難しいんです。ものすごく速いですし、歌を前提に作られてないんですね。例えば月光の第3楽章なんかも、ものすごく速いですね。大体基本的には第3楽章は速いテンポで作られているので、すごく速くなるんです。

クラシックの構成は大体決まっているので、大体第3楽章って何となく聞いたらわかると思います。

辻井伸行さんなんかはね、もう素晴らしいピアニストだと思うんですけど、辻井さんなどで検索してもらうといいと思います。皆さんが知ってるようなショパンの「幻想即興曲」とかを弾いてくださっているので。

これを口で、例えばタとかラとかで、タラタラタラ~♪これは、インテンポが入ってたりとか、細かい音符がいっぱい入っているので、リズムを取りながらやるのが凄く難しいんです。リズムを取りながらこれを出来るかどうか。

もう普通に聞いてリズムをとってくれればいいんです。別にBPMはあまり気にせず、ちゃんとリズムをしっかり取りながら声に出せればいいです。確かに少しショパンは難しいですけど、分かりやすいですね。みんなが知っているようなものでいうと「革命」、あとは「軍隊ポロネーズ」はご存じだと思います。

ショパンは比較的こういう耳馴染みのいい曲で、曲がコンパクトに収まっているものが多いので聴きやすいかなと思います。こういうものを聴いている人ほど、やっぱりリズム感がいいです。そのリズムをとって歌えるか。厳密には歌えるというより、なんとなくでもピアノのラインを「タ」とか「ラ」とで追える人。もちろん完璧に追うのは無理です。完璧に追うのは無理ですが、何となく追ってリズムを取るっていうことが、1番良い効果を生み出します。

クラシックでなくてもOK

リズムを良くするためには、敢えてものすごく嫌な言い方をすると、所詮ポップスは歌ものなんです。だから当然歌に特化しているものでリズムに特化したものではありません。なので、インストゥルメンタルとかでもいいんです。

例えばジョー・サンプルとかね、昔の有名なマイルス・デイヴィスとかでもいいんですけれども、インストゥルメンタルの音、 メインになる音を「タ」とか「ラ」で歌いながらリズムを取っていくっていう手法でも全然問題ないと思います。

楽器のメロディーラインの方が、例えば息継ぎのタイミングとか、体を使わないものが多いので、細かい音符が多かったりして、声で表現するときに難しいです。この方法で練習しておけば、J-popなど歌われた時に、歌いやすくなるんです。こういったトレーニング方法というものも私は大事にしています。

正直、1か月、2か月、リズムをすごくみっちりやってリズム感がつくかって言ったら、正直つかないです。リズムは体に入るものなんですよね。覚えるとか勉強するものじゃなくて、体の中に入れていかないとダメなものなんです。一朝一夕では絶対に出来ないので、体の中に入れるってなったら、聴く音楽を変えていく。1番最初に出来る事はそれだと思います。

リトミックでリズム感は爆発的に向上

あとは、幼児教育にも関わってくるんですけど、「リトミック」をすると爆発的にリズム感は良くなります。

つまりは「大きな栗の木の下で」です。あれって歌いながら体動かしていますよね?小さい頃から体に入れていかないとダメなのでリトミックっていうものがあるんですね。

大きな栗の木の下でなんて、幼稚園児の子に、「じゃあ皆で歌を歌いましょう」っていきなり言っても多分ボーってして歌わないですよね?

絶対体が動いてませんか?あれが1つの音楽教育なんです。あれを徹底するんです。大人になっても(笑)振りがある曲の方がリズム感は良くなります。もちろんそれはダンスとは違いますが、ちゃんと後ろの音を数えながらやらないとダメです。

なので、小さい頃から、音楽をしっかり楽しんでもらうために、「大きな栗の木の下であなたと私~♪」で、身振り手振りをつけながら、音程を合わせながら、リズムを取りながら歌わせるんです。だから、そういった意味では小さい子の方がよっぽどリズム感あるんですよ(笑)

意識をメロディーより演奏に向ける

大人はどうしても考えてしまう。リズムは体の中に入れないとダメなので、考えたら終わりなんです。ドラムとかもそうですけど、考えたら多分叩けないですよね。四肢を全部別で動かさないとダメなので。

リズムを本当によくしようと思ったら、最初にパって聴いた時に自分がどこを聴いてるか。前回の話にもありましたけど、メロディーを聴いてるようじゃリズムは絶対入らないです。

なので、そういう小さい頃からの幼児教育って音を外したところで別に叱られることもなんでもないし、体を動かしてる方が楽しいと思うんですね。歌が完璧に歌えるのが楽しいって子、いないですよね(笑)

皆で楽しんで体を動かすのが楽しいっていう。いつしかそれが大きくなってくると、なぜか体を動かすことが恥ずかしく思えたりとか、歌がちゃんと歌えないとダメとかという思考になり。意識が歌のメロディーにシフトしてしまう。

カラオケ文化が根強いっていうのは日本にはあるので、そういう音の聴き方っていうのがどうしてもあるんですけど、前も言いましたが、カラオケって言ったらダメです。インストゥルメンタルですよって。カラオケじゃなくって、たくさんの楽器が重なって初めて1つの音楽になってるっていうのが、 分かっているようで分かっていないってことなんですね。メロディーが1番最初に耳に入っちゃうってことは。

そうではなくて、ちゃんとその1個1個のものがちゃんと重なって、リズムが生まれて、歌が入って、グルーブになっていくっていう段階を踏んでいくんですけど、その時に、その曲をしっかり歌いたいとなった時に、その曲をベースに歌の練習をされるのであれば、自分で振りをつけてください

それは別に、例えばラジオ体操の振りでもいいですよ。

最初はメロディーに引っ張られたりして、変な動きになったりするんです。それってもうリズムが体に入っていないですよね。でも、ラジオ体操やった時、ラジオ体操だけをやったって、そんなことにはならないと思います。ちゃんとやれると思います。動きなんて別に何でもいいですけど、そういうラジオ体操とか、自分が動きやすい動きをしながら歌を歌うということが、リズムを良くすると思っています。幼児教育から、音楽というものを取り入れていくときに、ここを大事にして体にリズムを入れていくことで、音楽の真髄を知った上で音楽を楽しめる、リズム感のある人が将来育ってくのかなと私は思います。

なので、歌いながら体を動かすっていう慣れてないことをちゃんと体に入れられるかどうかが大事です。新しいものを体に感覚として取り入れたい時には色んなことを考えたりとか、どうやったらうまくできるんだろう?って考えるのが人間です。要はそっちにシフトできるかどうかですね。ここが凄く難しい部分で、本気でやろうと思わないと絶対入らないです。リズム良くなったらいいな、この曲聴いてたらリズム良くなるかな、では絶対にならないです。

「大きな栗の木の下で」ですべてわかる

それこそ、大きな栗の木の下でをちゃんと体を動かして、ちゃんと綺麗なピッチを合わせて、リズム合わせて、今やれますか?って話なんですね。やれる人、多分あんまりいないと思います。

恥ずかしがらずに本気でちゃんとやれるか。体を動かしながら歌うということは、 例えばボイトレで言うと重心をちゃんと下げてあげないといけません。重心が高いと体が動くことで声がブレるので、ちゃんと呼吸を整えながら、 腹式呼吸しながら、腹横筋を使いながら、多裂筋使いながら、ちゃんとしっかり声出して、声出すときもちゃんと口腔共鳴使えてるかな。鼻腔共鳴使えてるかなって意識すること。

しっかりそこはマスターして、なおかつ体を動かしてリズムをとって歌うんですよ。1番難しくないですか?

これは前回同様にリズム感のチェックの方法でもあります。「大きな栗の木の下で」を歌った時に綺麗に声が通って完璧に筋肉を動かせて、アカペラでやった時にちゃんとテンポがインテンポになっていたかどうか、「大きな栗の木の下で」で全部チェックできます。

アカペラでやるので、やっぱり相対的な音感がないと無理です。意外と音域も広いので、1オクターブぐらいはあります。

リズム感を養うのにおススメの洋楽曲

聴いていて面白いかどうかっていうのは、人それぞれですから何とも言えませんが、必ずそういったものにヒントがいっぱい隠されています。語弊を恐れずに言えばポップスの歴史は、例えば100年とかそれぐらいで歴史が浅いく、大衆向けに作られている音楽なので、リズム感があろうがなかろうが、歌が上手だろうが下手だろうが、ちゃんと耳馴染みのいいものを作ろうってことで作られている音楽でもある意味ではあるわけじゃないですか。

ポップスの全体像を見た時に。音楽に馴染みのない人でも口ずさめるという観点からやはり作られているわけなので、リズムを大事にしようとか、そういったものはあまり重きを置かれていないと思います。

そういった意味では、ポップスをしっかりリズム感をつけて歌いたい、鍛えたいってなった時に振り返ってほしいのが、そこに本当のリズム感を作るヒントは隠されていないよっていう事だけ覚えておいてほしいですね。

以前もお話しましたけど、日本人ってメロディー、節を大事にするんです。しかも日本語のアクセントっていうのは高低アクセントっていうもので、高いか低いかでアクセントを取るんですね。強弱ではなくて。高いか低いかとなるので、例えば「箸(はし)」と「橋(はし)」の違いです。音を高くするか低くするかで意味が変わる。「足袋(たび)」・「旅(たび)」もそうですけど、履くほうの足袋はタが高くなりますよね。強く言うのではなくて。だから高低アクセント、音が高いか低いかで日本語というのは成り立っているので、やっぱり節が大事になっているって事ですね。なので、高い音と低い音がしっかり入り混じっているような曲であればあるほど、ドラマチックに聞こえる。

リズムを養うのにいい曲で海外の一曲を上げますが、スティングの「Seven Days」って曲があります。あれは、5拍子かな?でも聞いたら、メロディーラインがすごく綺麗なので、一聴では何拍子か分からない感じがあります。

多少やっぱり歌いづらいですけどね。5拍子だから。こういうのを取り入れているのはやっぱりイギリス系だったりします。そういう斬新なものを取り入れる全衛的な部分があるので、少し歴史の話になりますが、イギリスとかオランダとか、ずっと世界中で覇権をとっていたからか、やはり前衛的な部分が根強い傾向があると思っています。アメリカは元々イギリスの植民地から後に独立となりましたよね。なので、私が考察するにはそういう国の成り立ちも音楽文化に大きく関わっていると思います。だからやっぱり日本も鎖国していたから、西洋の音楽が入るのが遅かったですしね。だからこそ今こういう状態になっているっていう事も否めないと思います。このように世界の歴史や情勢を知っていくと必ず音楽にも結びついているものです。

だから比較的ヨーロッパ圏の方々は例えばファッションでもそうですけど、結構斬新なおしゃれをしたり、奇抜なものを出してきたり。だって、ファッションの都パリはフランスですものね、そういう風に、やはりヨーロッパ系の人たちってすごく、アグレッシブかつアバンギャルドで素晴らしいと思います。

だからこそ、クラシックとか、ポーランドがショパンの母国だったと思いますが、伝統が根強いからこそ軸がしっかりしているんですね、やっぱり。だからこそ、そういう前衛的なことをやったとしても世界に受け入れられるのだと思います。でもその土壌がちゃんとない、軸がない、土台がないのにアグレッシブなことをやってもねって感じですよね。

それこそ以前もお話したピカソみたいなもので、摸写とかものすごい上手だからこそ、落書きに見えるような感じのものでも、人の心を惹きつけるっていうのは、やはりそういったちゃんと土台になっているものがきっちりしてるというのは、絶対にどこかであると私は思います。

全体まとめ

これまでお話したことができるかどうかが、リズム感を持って歌を歌えるかどうかのひとつの判断の軸になると思います。歌う事を前提にしていない音楽を聴いて音をリズムでとらえること、そして子供のように自分で決めた振りつけでいいので体を動かしながら歌ってみる、こうすることで体にリズムを覚えさせていいきます。

そしてこういったことを最も養える曲ってやっぱりバラードなんです。

アップテンポでは養えないです。アップテンポはリズムに乗っている気になるだけの話です。だから、リズム感をつけたいって人でもし「J-popがどうしてもいい!」って仰る方がいるとしたら、バラードでの練習をおすすめします。バラードをインテンポかつアカペラでリズム歌いが出来るかどうかというところだと思います。早い曲はどうしてもメロディーに持ってかれちゃうので、歌えてる気になっているだけの話で勘違いです。

テンポの早い曲を歌いたい方に向けたトレーニング方法

トレーニングの方法としては早い曲、例えばYOASOBIさんのアイドルとか歌いたいってなった時に、それをハーフテンポ(BPM120ならBPM60に)で歌ってくださいって方法もあります。その時にちゃんと完璧にメロディーが取れるかって言ったら、難しいんですよね。元々の速さに慣れているから、その速さで歌えるってだけの話です。

どんなテンポになろうが、どのキーになろうが歌えるのが本当に「歌える」という事です。

テンポも取らないといけないですし、ひとつひとつの音も忠実に綺麗にはまらないといけないとなるとものすごく難しいです(笑)

だから、自分が好きでしっかり歌いたい曲ほど、色んなテンポやキーで歌う事をお勧めします。例えばカラオケでしか練習できない人は1番テンポを下げるとか、逆に1番テンポをあげるとか、キーを思いっきり下げてみるとか。キーが変わった瞬間にちゃんと音が取れるかとか。しっかりと歌が歌えるっていうのはそういう事なんですね。輪郭を知ってるから出来るんですよね。それは。その曲のその部分しか知らなければ、メロディーで取るしか当然なくなります。

最終的にはこの歌詞で、このメロディーで、この楽器の演奏であれば、このテンポでこのキーが1番かっこよく聞こえるなっていうものが楽曲としてはリリースされるんですけれども、その前までは作曲する方だって歌う方だって、キー設定とかテンポ設定とか、そういうことを色々考えて練り込まれて作ってるわけです。いきなり、パッとできるわけではないので。そういった意味合いとしては、その曲をしっかり歌いたい時、その曲の輪郭をつかみたい時、歌声の土台をしっかり作りたい時は、まずハーフテンポに落として、ちゃんとリズムが取れて、リズム歌いが出来るかどうかということにチャレンジしてほしいです。

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