独学ボイトレしている人必見!【覚えておくべき大事な話・知識3選】
みなさんは、ボイトレ受けてらっしゃいますか?それとも独学でしょうか?
例えば独学でやるときはYouTubeとか、本を読んだりとかですか?
例えばですけど、ちゃんと肺に息が入っているかどうかは体をさわればわかりますが、その時どこを触るのか?これがもう問題ですよね、独学の方には。
ボイトレでいうお腹の範囲っていうのは、胸から足の付け根までがお腹なのです。
“お腹に力を入れる”の本当の意味「声出すときにお腹でる?へっこむ?問題」
“お腹に力を入れる”ってよく言いますよね?
どこに?ってなるのです。
間違ってずっと独学されている方で、よく私のスクールに通いだして疑問に思われるのが、「声出すときにお腹でるのですか?へっこむのですか?問題」これが1番大きいのです、実は。
これはどっちも正しくもあり、間違いでもあるのです。相手が言うお腹の場所と私が思っているお腹の場所が違うのです。声出したときにお腹がへっこむっていうのは正しいと言えば正しいですが、さっき言ったように間違いでもあるのです。
なぜかっていうとへっこむのは、みぞおちからおへそまでの間がへっこむだけなのです。
胸の奥に肺があるので、息を吸うと肺が膨らんで息が出て行ったら肺がへこみますよね?
それでただしぼんでいるだけの話なのです。鳩尾からおへそ辺りに強靭な力は必要なくて、どっちかっていったらしなやかな力が必要なのです。いつもこう例えるのですけど肺がガチガチの鉄だったら息はもうそれ以上入らないですよね。
あと、例えばいつも例で出すのが「お餅」なんですけど、ガチガチのお餅?切り餅?なんかはもう固いじゃないですか。冷えていると。ただちょっとレンジでチンするとびょーんと伸びるじゃないですか。肺って、内臓って冷えていると固まるのですねやっぱり。それが普通なのですけど。だから内臓があったまると伸びやすいのです。だから肺の下が伸びて膨らむと、わかりやすく出るのがみぞおちから下、足の付け根からおへそまでがでやすいのです。
だから内臓が硬い人はわかりづらいのです、逆に。内臓の柔らかい人は膨らんだり、へこんだりがわかりやすいので、息がしっかり入って、吐けているという、要は腹式呼吸ってやつですね。これがちゃんとわかりやすいのですけど。それが内臓が固い人はわかりづらいっていうのが一つのポイントにもなるのです。
三つの息を(肺を)支えるための筋肉「横隔膜」「腹横筋」「多裂筋」
じゃあさっき言った声出すときにお腹出ているのか?ひっこんでいるのか問題っていうのは出ている場所があるのです。それはおへそから足の付け根までは出ています。そこには腹横筋っていうのがあります。腹横筋は内臓全体を支えている筋肉です。とうことは肺も支えているのですね。プラスそれにつながって背中の筋肉、多裂筋にもつながっています。この腹横筋と多裂筋に関しては“インナーマッスル”という深層筋ですね。内臓に一番近い筋肉、ということは肺は内臓なので、歌うときに大事な息をためておくタンクをちゃんと支えてくれる筋肉っていうのは、例えば横隔膜。肺の一部、肺に直結している膜なのですけど、筋膜なのでこれも筋肉=インナーマッスル。
この「横隔膜」、「腹横筋」、「多裂筋」、この三つが多く固まって集まっているのがおへその下から、足の付け根から上なので声を出しているときは肺を支えるために筋肉が出ないといけない。筋肉が出るからお腹が出るように見えるのです。こういうことを独学でやっている方は多分わからない。だから、お腹を出すかへっこむか問題というのは本当によく聞かれるのです。「先生歌っているときってお腹出ているのですか?へっこんでいるのですか?」て聞かれると“どっちも”いう答えしかできなのです。
みぞおちの下はへっこむのだけど、腹横筋は出るのです。
おへその下に臍下丹田(せいかたんでん)といわれるところがあるのですけど、あそこも内臓を支えるひとつの筋肉なので、そこの筋肉は出ている状態。
イメージしていただけたらと思いますが、風船ふくらましている状態で思いっきり息を出す。これって息の力が必要になるので中の筋肉が出やすいのです。だから風船ふくらませているときに、腹横筋を触ってもらうと絶対張っているのですよ。でも風船ふくらませるということは息をだしていますよね?
お腹の中の三つの「営業部」
私はお腹を三つの場所に分けて説明しています。
全部「営業部」ってことにしているのですけど(笑)
第一営業部が“鎖骨の下からみぞおちまで”、要は胸。Mr.Childrenの桜井さんなんかは胸筋をすごく使うのです。胸の筋肉を使って声をだしていて。
だから第一営業部も声を出すときはつかうのです。
“みぞおちからおへそまで”を第二営業部、“おへそから足の付け根まで”を第三営業部っていう風にしています。
歌手の方によって第一~第三営業部のどこを使うのかは違うのか?
例えばジャンルにもよります。
Mr.Childrenの桜井さんってけっこう胸式呼吸なのですよね。息するときに肩が上がるってことは肺の上部で息をしているとか、だから肩が上がる。息って、入った場所の近くの筋肉を使うのです。つまり遠距離が嫌いなのですよね。(擬人化すると)要は、ちかいところのもので支えようとする。なんでもそうですけど、近くにある筋肉を使って自分を支えようとするのです。だから胸式呼吸なんかをしていると胸筋が一番近いですよね?なので胸筋に力を入れて歌うのです。
腹式発声と腹式呼吸は別もの
だから比較的腹式発声・腹式呼吸の人って、お腹に力を入れて支えるのです。だから近い場所、近い場所!って使っていく感じになるので。息は基本的にたくさんあったほうが良いってことで、腹式呼吸の方が良い。腹式呼吸をするなら腹式呼吸で入った息をちゃんと支えられるものっていうのは複式発声で使うさっきの下の筋肉。そっちの筋肉をつかったほうがいいよってなるので、ボイトレでは基本、腹式発声、腹式呼吸の方がいいよって言われています。
でも腹式発声と腹式呼吸は別ものなのです。これは独学でやっている人は一緒になっています。だからこういう独学でやっていることでうまくいかないことが必ずでてくるのですよね。
例えば、息がつづかないとか、なんか高い音が出しづらいとか、力任せに声を出しちゃうとか、それは本来ならば全員にあたるわけではないのですけど、もっと出るのです。
ただ、ちゃんと体のどこの部分をどういう風に使ったらいいのか、例えばさっき言った腹横筋て知っていましたか?高い音だすのに口蓋喉頭筋(こうがいこうとうきん)って筋肉を使ったりするのですが、あなたそれ知っていましたか?ちゃんと使えてますか?ってなるとわかんないですよね?
それをきちっと学ぶこと、きちっと使えることで成長するので、やっぱり独学ってどこかで頭打ちが来ちゃうんところがあるのですよね。
それはすごくもったいない。自分の筋肉をフルに自分が知って使っていないから、それは自分の可能性を自分でつぶしちゃう場面もそこそこでてきますと。そういうときは声のプロフェッショナルに学んだほうが、自分の価値を高められることになるので、やはりきっちりとしたロジカルに体を知る。理論的に体の構造を知っていくまずは。声を出すっていうと簡単にできちゃうから、感覚で落とし込む方がすごく多いのですけど、実際声出しているときにどこを膨らまして、どこの筋肉をどの割合で使って、声帯をどのパーセンテージで使ってって考えて声出している人ってほぼいないのですよ。
それを細かく細分化して、具現化してお伝えするのが私たちの仕事になるってことですね。
独学で頭打ちになっていることに気づく
次のステップとして、自分ではできているつもりなのに周りから聞いたときに抑揚がないとか、自分ではうまく歌えているっておもっているのにうまいっていわれたことがない。そういう壁にぶち当たってくるのですよね。
なんであの人はうまいって言われるのに、自分はなんで言われないのだろう?ちゃんとやっているつもりなのにって、つもりで終わっちゃう。それはきっちりとしたメソッドが入ってないのでそいうところにぶち当たったときに、要は解決方法がないのです。感覚でやっていると。
ロジカルにやっているとそこに必ず解決法があるのですよね。科学的根拠にもとづいてやっているので。
例えば、このコーヒーが苦いのなんでだろう?甘いのしか飲めないなら、じゃあガムシロップいれようかという知識がなければ。一生苦い思いしながらコーヒーを飲むってことですよね。
その存在を知るっていうのが独学からの脱却になるのじゃないかなという気がしなくもないですね。
まとめ
独学ボイトレしている人が覚えておくべき大事な話・知識3選
・“お腹に力を入れる”の本当の意味「声出すときにお腹でる?へっこむ?問題」
・三つの息を(肺を)支えるための筋肉「横隔膜」「腹横筋」「多裂筋」
・腹式発声と腹式呼吸は別もの
をご紹介しました。
ボイトレしている人が覚えておいた方が良い「腹式呼吸」と「腹式発声」について、シリーズにて情報発信をしていきます。お楽しみに!
この記事は私が書きました。
浦麻紀子。うらまきこ。
大阪府出身。
ボイストレーナー、話し方トレーナー、ビジネスボイスコーチ。日本ボイストレーナー連盟資格認定(JAVCERT)
プロアーティストの仮歌、コーラスサポート、NHKプロフェッショナルの流儀、テレビ朝日系全国ネット『坂上忍の成長マン』ハモり講座の指導などのテレビ出演、名古屋大学大学院医学系での学術集会でのセミナー、豊商事株式会社での電話対応セミナー、など多岐にわたり活動中。
・20年以上に渡りボイストレーニングを指導。
・3000名以上の指導歴。
・シニアインストラクターとしてボーカルトレーナーの育成、指導。
・講師、客室乗務員、面接対策、婚活、企業様向け研修やスクールでの講演。
・コミュニケーション能力向上研修、プレゼン研修。
・メジャーレコード、プロダクションへのプレゼンライブ等。
特に滑舌、表現力、説明力には力を入れている。
自身も3枚のアルバムをリリース。全国20箇所でツアー・ライブを500本以上。